第16章 Don't be discouraged!
二宮side
作ってもらったツマミを肴にしつつ
杯を重ねる。
明らかにJのピッチの方が速い。
しばらくお互い他愛のない話をしてた。
Jの友達の話とか
撮影中にあった面白い話とか
ほんとにどうでもいいことだけど
昔と違って常に同じ現場な訳じゃないから
話すことは案外あったりする。
そんな中、口火を切ったのは
潤くんだった。
M:「ねえ、お前さ、今日何て来たの?」
アルコールにほんのり染まった目を
俺に向ける。
「だから言ったじゃん?
智と翔ちゃんが…」
M:「ちがうだろ?」
喰い気味に潤くんが言葉を重ねる。
俺を見る目力が半端ない。
さて、どうするかな?
どこから話す?
上手くやらないと拗れる。
「ホントなんだけどなぁ…。
まぁ…どっちかと言うと
潤くんと飲みたかったの。
だってお前…
最近、俺ら避けてるでしょ?」
俺の一言に潤くんの動きが止まる。
一瞬、目を大きく見開いて…。
表情が図星だって言ってる。
M:「そんなこと…」
振り絞るように出る声を俺の声が打ち消す。
「あるだろ?気づいてないとでも思った?」
ばつの悪そうな顔をする潤くん。
「なんか理由があるんでしょ?
帰ってこれない理由が、さ?」
黙りこむ潤くん。
さて、素直に言ってくれるかな?理由を。