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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第16章 Don't be discouraged!


松本side

「おつかれ~」

そう、部屋を出る前に声を掛け、
ドアを開けた。

そのまま、業務用エレベーターで一気に駐車場に降りる。

そそくさとという言葉がぴったりだと
自覚するほど、とにかく急いで
ホテルを離れる。

東関道に乗ってようやく落ち着く。

きっとみんな不審に思ってるだろうなぁ。

最近、なにかと理由を付けて
家に戻らずにいる。

なんでだか解らないけどあの暖かい場所に
足を踏み入れるのが怖くなっている。

今までこんなことは一度もなかった。

あそこは俺にとって最も心休まる場所で
帰るべき場所なはずなのに…。

いつからだっけ…?
こんな風になったの…。


多分、コンサートの構成を考え、
スタッフたちとぶつかることが
多くなった頃からだと思う。

ふとした弾みに聞こえてきた言葉。

『もうついていけない』
『何様なんだ』
『俺様だからファンから
 酷評受けんじゃないの?』
『Amazonのレビューみた?』
『だから俺らの案にしときゃ良かったのに』

それを発したのはずっと信頼して
一緒にコンサートを作ってきた
チーフクラスのスタッフたちだった。

確かにあの時もぶつかったけど
コンセプトや狙いどころを
きちんと説明して理解した上で
俺の案にしたはずだったのに…。

なによりも信頼していたスタッフさんに
そんな風に思われてたなんて…。

思いも寄らないって
こういうことだろうなって
妙に冷静に思った。
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