第15章 Always thinking about you…
大野side
ちょっと油断したら溢れそうになる
涙を堪える。
おいら、上手く笑えてるかな?
翔ちゃんに心配かけてないかな?
暗くなり始めた部屋に翔ちゃんの指が
あかりを灯す。
光の下で見た翔ちゃんの顔には昨日の夜、
画面越しに見えたあの陰はなかった。
ただ、その瞳には心配そうな光を湛えている。
何も言えずに立ったままの翔ちゃん。
おいらのこと?大丈夫なのに…。
心配性の翔ちゃんに言う。
「どうしたの?
ふふ、そんな心配そうな顔しないで。
和たちが大袈裟なだけで、
なんともないから」
さっきまでの重さが嘘みたいに軽くなる。
ベッドから身を起こし、
ドアの傍に立ったまま動かない
翔ちゃんのところに行こうとしたら…。
翔ちゃんの手が肩に置かれた。
その手の重さがこれがリアルなのを
教えてくれる。
S:「熱、あるね?」
辛そうな顔で呟くように言う翔ちゃん。
「大丈夫だよ?微熱だから…。
翔ちゃんこそ大丈夫?
月曜日の放送、無理してたでしょ?
顔色、悪かったもん」
おいらの熱なんてどうでも良くて、
それよりも気になってたことを口にする。
そのままベッドサイドに膝立ちする
翔ちゃんに腕を伸ばし、抱き締めた。