第15章 Always thinking about you…
松本side
翔さんが多分初めて自分の言葉で自分の弱さを
俺に晒してる。
プライドの高いこの人が年下の自分に
それを伝えるのはかなりキツいことだと思う。
それをさせてるのは俺。
でも…。
そうじゃないときっと一緒に走れない。
もっと高いものを越えられない。
当たり前だけど一緒にいる歳月が
増えれば増えるほど
その関係性が変わることは当然で…。
むしろ変わらないと進化できない。
だからこれはきっと俺たちにとって
とても大事な事なんだと思う。
翔さんの一言、一言を聞きながら
伝わったって思える。
でもね、俺たちも結構、大変だったんだよ?
だから少しだけ、少しだけ…
意地悪してもいいよね?
「正直、智くんのことがあったし、
1発ぐらい殴ってやろうと思ってた。
でもさ、まーに免じてやめとく。
なんか、空気が変わったね?
まーのお陰…でしょ?
感謝しなね、まーに…。
おれも一つ貸しってことで」
智くんの名前が出て顔色が変わった翔さん。
そうだ、まだ知らないんだ。
S:「潤…ありがとう。
ごめんっ、さっきから
気になってるんだけど…
智くんは?」
「部屋にいるよ、行ってあげなよ」
S:「部屋にいるの?なんで?」
どこにいると思ってたんだろう?
やっぱりこの人変な所が抜けてるよなぁ。
「それは…自分で知った方がいいんじゃない?
少くともまーはそう思ったみたいだよ。
俺と和はその意見に沿っただけだから…」