第15章 Always thinking about you…
二宮side
気がつけば翔さんのコーナーも終わり
画面に映るのは
女性アナウンサーになっていた。
頭の中の整理が済んだところでそっと
智さんと潤くんが座るソファーへと近づく。
静かに涙を流し、声にならない声で繰り返す
智さん。
力を籠めたJの腕が凄く頼もしく見えた。
「J、ありがとう、止めてくれて」
そのまま智さんの前にしゃがみこむ。
俯いた顔を覗きこみ、涙に濡れた頬に
手を添える。
最近、釣りに行けてないのか以前の様に
白くなったこの人。
青ざめ透き通るような白い顔に
この人とあの人の間にある絆が見える。
「ねえ、翔さんよりもひどい顔色してるよ。
その顔で翔さんのところ行っても
余計心配させるだけじゃない?」
行かせてあげたいけど今はダメだ。
止めなくちゃ、二人とも崩れる。
智くんが俺の腕に手をかけて必死に訴える。
O:「翔ちゃん…悩んでる。
自分のこと、責めてる。
翔ちゃんなにも悪くないのに…
自分を責めて傷ついてる…
だからね…迎えに行かなきゃ…
翔ちゃん、壊れちゃうよ…」
うん、わかるよ。
翔さん、責めてるよね、自分のこと。
きっと傷ついてるよね?
だって俺たちだってこんなに痛いもん…
胸が…。
でもさ、貴方も壊れそうだよ?
俺たちさ、大事な二人をこんなことで
壊すわけにいかないんだよ…。
どうしたら…分かってくれる?