第12章 tie me up… tie you down…
大野side
翔ちゃんに唇を重ねる。
唇を舌でノックする。
応えるように薄く開いた隙間。
舌を入れ翔ちゃんの唇を撫でる。
微かに感じるニコチンの味。
ようやく出てきた翔ちゃんの舌に吸い付く。
「ふっ……んふっ…」
翔ちゃんの唇を貪るおいらの声が漏れる。
水音が耳に響く。
唇を離すと翔ちゃんと目が合う。
S:「いい声じゃん…」
そう言っておいらの唇を節ばった指で触る。
その指の動きに躰が粟立つ。
「そんなことっ…ってか、
なに恥ずかしいこと言ってるの?」
感じてるのを隠したくて反論したけど…。
S:「いいじゃん、もっと聴かせてよ…」
全部わかってると云わんばかりの翔ちゃん。
声が甘い。
S:「隠したいとか考えられないぐらい…
感じさせてやるよ…
夜はまだまだ長いから…」
ニヤリと笑いおいらを見る。
今夜は本当に寝かせてもらえないかも…。
なんて思ってたら…
キスの雨が降ってきた。
さっきみたいに音だけじゃなくて
吸い付くような刺激的なキス。
雨のように降るキスは
雨が地面に染み込むように
おいらの躰に快感を染み込ます。
「あっ…くっ……しょう…ちゃん…
だめっ…そんな…吸ったら…痕が…」
S:「大丈夫だって…。
ばれるようなわかりやすいところには
残さないから…。
まぁ…着替えの時は気をつけろよ」
笑いながら言う翔ちゃん。
「ふっ…んんっ…
わらい…ごとじゃ…ないしっ…
はぁ…見られたら…恥ずかしい…じゃん」
止まないキスの雨に包み込まれながら
訴えた。