第21章 しあわせはここにある
みんなを縛り付けたのは自分。
でも…もう解放しなくちゃ。
分かってて手放せなかった自分。
そんな中だった。
ある光景を見たときに、決断しなくちゃって思ったんだ。
やっぱりこんないびつな関係に終止符を打たなくちゃいけないって。
翔くんも、相葉ちゃんもニノも松潤もちゃんとみんなに祝福されるような幸せを掴むべきだって。
だからね、言ったんだ。
『嵐をたたもう、もうそれぞれの道を進もうよ。
待ってる人、いるんでしょ?』って。
一瞬だけ、見せた瞳の動きが多分、真実だと思う。
一方で、嵐というものが簡単にたためないぐらい大きなものになってたのも事実。
コンサートもだいぶ先まで会場を含め押さえてる。
照明プランやそれに付随する様々なこと、もっと言えば関わってるスタッフさんや制作会社にまで大きな影響を及ぼすって翔くんたちに言われた。
自分の気持ちと現実の間でものすごく揺れた。
どうするのが正解なんだろうって。
あの大阪から、本当にものすごい回数、みんなで話し合った。
話し合いが苦しくなって、また甘えた関係に戻ったことも正直何度もあった。
だって…僕たちはそうやってここまで来たから。
翔くんにズブズブに甘やかされて躰も溶かされて考えるのをやめた夜もあった。