第20章 Sweeter than SWEETS
あの空気はとりあえず何事もなかったみたいになくなったけど…、実は何も解決してない。
なんでも一生懸命で、率先して楽しむ雅紀が『怖い』って一言をテレビで言ったということの重さを考えないと…。
「智くん?なに難しい顔してるの?
はいっ。
智くんもこれ食べて少しリラックスしよ?」
僕の口の中にも甘い塊が入ってくる。
「ん、ありがとう…ってこれ…お酒入ってる…」
「え、マジで?智くん平気?」
「おーちゃん、どうしたの?」
心配そうに少し慌てた翔くんとその翔くんに驚いた相葉ちゃんが僕の顔を覗き込んでくる。
「ん、平気。
これぐらいのお酒なら酔わない。
僕、車を運転するわけじゃないし、大丈夫」
なんて言ってみるけど…実は空きっ腹に少し堪える…。
でもあとはエンディングだけだし…。
「大丈夫じゃないでしょ?まーくん、頼みましたよ?」
「そうそう、エンディングは二人が前になってるから…大野さんのこと頼むね?」
そうだった…。
まぁ…なんとかなるよね?
そう思って相葉ちゃんを見るとさっきよりもずっと落ち着いた顔で僕を見てくれたから…僕も微笑んだ。