第42章 フリージア
Sho side
雅紀が止めてくれたタクシーに
潤を押し込んで振り返ると
爽やかなイケメンが俺たちを見守っていた
翔「ありがとね」
雅「こちらこそごちそう様」
斗「家まで運ぶのは頑張ってね」
二人ともあどけない表情で笑う
翔「斗真,今日はホントありがとね,仕事楽しかった」
「こちらこそっ」と笑って差し伸べられた手を握って軽く抱きしめた
翔「雅紀,次…あ,収録か…」
雅「うん,明日の生放送までに風邪治してね」
優しく背中に手を添えてくれるから
俺も「さんきゅ」と肩を叩いた
タクシーに乗り込んで
行き先を伝えて
二人に手を振ると
ゆっくり車は走り出した
ふぅ…と一息ついてシートに寄りかかり
寝てるかな…?と思って潤を覗くと
翔「ぉわっ…」
潤のおっきな瞳が俺を鋭く見ていた
翔「起きてたの」
潤「起きてますー」
…あれ…なんか怒ってる?
翔「どうかした?気分悪い…?」
潤「別に~…」
そのまま俺に凭れかかって瞼を閉じた
…さっきまで機嫌よかったのに…?
膝の上に置いた荷物を少しずらして
荷物の下で潤の手を握った
ぴくっと肩を揺らしてから
ギュッと握り返してきた
…そんなでもないのか??
潤「気安く…触りすぎなんだよ…あいつら…」
ホントに小さく…
微かに耳に届いた言葉…
顔を覗くと…さっきより顔が赤い
…お酒のせいだけじゃないよね?
顔が緩むのを車窓に顔を向けて誤魔化しつつ
握る手に力を込めた