第38章 ルピナス
Sho side
居ないと思ってた潤がいた…
それだけでもう全身の力が抜けそうになった
潤「おかえり」
翔「いた~~…会えた~~」
そのまま潤の腕の中に倒れ込んだ
収録の後に予定されてた取材が
現地に行った途端、相手の都合でキャンセルになった
普段ならそこから
できる仕事だけでもして
帰ってくるけど
「櫻井さんどうします?」
番組スタッフに言われて
翔「後日出直します」
即答した
今日はいい仕事ができる気がしない…
そういう時は休むに限る…
以前,大先輩の東山さんに言われた
「休めるときに休むのも仕事だよね…そういう時に思いっきり甘えられる人が今の奥さんだったんだ」
結婚について質問した時だったかな…
あの時思わず潤を見たら,潤も俺を見てて…嬉しかったな…
そんなことを思い出したら無性に会いたくなって,我慢できなくて
居ないのを承知で潤の家に来た
合鍵で入って待ってようと思ったら…
潤が居て…しかも何故か俺の夕飯まであって…
翔「以心伝心?」
真面目に聞くと
潤「テレパシー?」
と笑って答えた
翔「じゅん~~~あいしてる…」
俺の座る横で,ダイニングテーブルに夕食を並べている潤の腰にぎゅっと抱き着いた
潤「あ…危ないよっ…俺も来てくれて嬉しい…一緒に食べよ」
俺の目の前には
豚汁と艶々の白米と焼き魚とお浸し
そしてフレッシュジュース
翔「超健康的っ…これ!俺,これが食べたかったんだ~」
どんな高級料理店の食事よりも
潤の手料理が一番元気が出る
翔「うまいっ」
俺の様子を見て潤が微笑む
それだけで疲れはかなり癒された