第38章 ルピナス
Jun side
潤「ただいまー…」
静かな部屋に言いながら無造作にカバンをリビングに放って
そのままソファに深く座り込んだ
ポケットの中の携帯を見ても
新着メールは来てなくて…
潤「はぁ…」
思わずため息が零れる
携帯に表示されてた時刻は19:00…
予定より早く撮影が終わったけど…
明日は昼からだから少しゆっくりできるけど…
1人でゆっくりできたって意味なんてない
ふぅ…っともう1度深く息を吐いて
レコーディング中の新曲を流しながら
キッチンに立った
適当な野菜とフルーツをジューサーに放り込んで
簡単に…
でも栄養の取れそうな夕飯を作るために
鍋を火にかける
潤「翔くん…ちゃんと食べてるかな…」
作ってあげれてないから
絶対コンビニの弁当とか食べてるんだろうな…
無意識に出た独り言に気づいて
愛しい人を浮かべると余計に心配になる
そんなことを考えながら作った夕飯は
潤「あー……」
翔くんの分まで作ってしまっていて…
明日食べればいっか…
そう思いながら皿を出そうとすると
ピンポーン……
インターホンが部屋に鳴り響いた
潤「…はーい」
誰だよ…と心の中で文句を言いながら
応答した画面に
まさに思い浮かべていた
会いたかった人が映し出されて
まともに返事も聞かないまま
玄関の鍵を開けに向かった