第37章 アンスリウム
Sho side
翔「おかえり」
玄関で潤を迎えると
ちょっとふてくされたような顔で入ってきた
潤「…ただいま…ねぇ…斗真のプレゼントなんだったの?」
靴も脱ぐ前にいきなり言われて
さっき袋を開けた時の衝撃が蘇ってきた
翔「あぁ…まぁ…それは後でな…」
笑って誤魔化して
潤のコートを受け取って
リビングへ向かった
下手な出し方をすると
潤が怒って
せっかくのプレゼントが台無しになる可能性があるから…
慎重にコトを進めないと…
潤「やだっ…今教えてっ」
リビングに戻ると後ろから抱きつかれた
翔「ちゃんと見せてやるから…風呂は?お湯溜まってるから,入っておいで…」
潤「…翔くんは?」
翔「俺はもう入っちゃった」
そう言うと,ますますふてくされた
潤が風呂に入ってる間
どうやってプレゼントを見せるか
袋を目の前に,頭を悩ませた
翔「そこが一番難しいよ,斗真~~」
考えすぎて思わず口に出すと
潤「何が難しいの?」
後ろに潤がいた
翔「うわっ…おかえり」
俺の驚き方に
怪訝な表情を見せたものの
俺を挟んで後ろにある袋を見つけると
潤「ねー,見せて?」
すかさず手を伸ばして見ようとする
翔「わ,待て待て,あとにしよ!!先に飲もうっ」
なんとか潤を押し返して
リビングに座らせて
出しておいた缶ビールを手渡した
潤「もうっ,いつ見せてくれるの?」
翔「寝る前に…ゆっくりな…」
もうアルコールに頼るしかない…
なるべく酔ってくれるように
いつもより早いペースで
潤に酒を勧めた