第4章 アゲラタム
Jun side
必要ないと思っていた荷物は
ちゃんといろいろ考えて用意されていたモノで
ただ翔くんとのデートに浮かれて
仕事のコトも考えずに
必要最低限のモノしか持ってこなかった自分が
なんだか情けなくなる
でもそんな申し訳なさも
目の前に広がる青い海と綺麗に晴れた青空を見てると
普段は味わえない開放感のワクワクで
どんどん小さくなってくる
翔「お待たせ」
戻ってきて
上に来ていたパーカーを脱いで
翔「行こうか?」
って右手を差し出されるから
その手を握ってテントの中に引き戻した
翔「っ,あぶね。どうした?」
バランスを崩した翔くんが
テントの中で座り込んで
俺はその背中に回って
持ってきたボトルの蓋を開けた
潤「日焼け止め塗ってあげる
テントあっても海にこのまま行ったら
確実に焼けちゃうよ」
そう言って手のひらにボトルの中身を出して
翔くんの背中に塗り広げていく
潤「腕貸して?」
腕にもしっかり塗ってから
前に回って
胸板に手を這わそうとすると
翔「前は自分でやるから!」
って逃げるように後ずさる
でも俺の手の中には
もうオイルが出されていて
潤「もう出しちゃったもん
遠慮しなくていいから」
何故か顔を逸らしている翔くんの胸からお腹に
手を動かした