第4章 アゲラタム
Sho side
人の少ない穴場ビーチを選んで
なるべく人のいない岩場の影に陣取った
海の家なんかからは離れてるけど
あんなところで普通にくつろげるわけもないから
ここで問題はない
まずは鞄からシートを取り出して引く
翔「潤,何やりたい?
サーフィン…ってほど波は無いし…
できてボードくらい?
あとは…サップもあるってさ
やりたいモノ借りてくるよ?」
鞄からあれこれ取り出しながら聞くと
戸惑った顔で俺を見た
潤「えっと…翔くんは?」
翔「俺は…とりあえずサップは
やってみたいかな…
最近はやってるらしいし…ためしに」
そう言うと「じゃ,俺も…」と笑う
…あー…可愛い…
ここで押し倒したい…
そんな煩悩を頭を振って振り払う
とはいえ,さっき
車で寝ていた潤を起こす時
もれなく潤の唇を奪った俺…
どこまで理性を保てるのか不安になりながら
鞄の中で一番幅を利かせていた荷物を取り出した
潤「翔くん…何?…ソレ」
さっきから俺が荷物を取り出すのをポカンとみていた潤は
その荷物の量に若干ひいてる…気がする
翔「コレ?コレはね…」
見せながらワンタッチでボンと広がるソレ
潤「テント??」
翔「簡単なやつね,仕事柄あんま日焼けするわけにもいかないでしょ?智くんじゃあるまいし」
なんて言うのは言い訳
別に今ドラマの予定も入ってないから
日焼けするくらい良いんだけど…
少しでも死角を作った方が
色々…都合がイイから…
あっけにとられている潤をその中に座らせて
「待ってて~」とだけ言ってレンタル店に向かった