第36章 サボテン
Sho side
潤と付き合いだしてもうすぐ2年
オフになるとお互いの家を行き来して
食事をしたりゆっくりしたり
たまにどこかに出かけたり
忙しいときはお互い仕事をしながら
でも,同じ空間に居られるだけでも幸せだった
潤「今日はカレーでいい?」
翔「うん,楽しみにしてるっ」
潤がオフで遊びに来ていて
うちのキッチンで
夕飯を作ってくれるのも
当たり前の光景になってきていた
俺よりも潤の方が使うから
もうキッチンはすっかり潤使用になっている
俺は次の日の取材の勉強のために
そんな光景を見ながらリビングで資料を広げていた
潤「大変だね…」
いつの間にか潤が傍に来て
コーヒーを差し出してくれた
翔「まぁね,でもやっと掴み取った仕事だし…ようやく皆に認められてきたし…今,頑張んないとね…」
潤「そうだよね…」
翔「萩原さんにも期待してるってプレッシャーかけられてるしね~」
潤「萩原さん…」
資料を見ながら話をしていたのに
急に潤が押し黙ったのが気になって視線をあげてみた
翔「潤?」
潤「あ…ううん…いい人だよね…この前,俺がコンサートの演出やってることも知っててくれたよ」
翔「あれ?会ったの?」
潤「うん…番宣で局に居た時に…たまたま…」
…潤がコンサートの演出してるって
言ったことあったかな?
翔「まぁ,嵐を気にかけてくれてるってことだからありがたいよな~…ホント世話になってる人だから,期待に応えないとな…」
潤「…うん…そーだね…頑張って」
潤は俺に笑顔を向けて
またキッチンに戻っていく
しばらくするとカレーのいい匂いが鼻を擽った