第36章 サボテン
Jun side
あれからもちょくちょく
偶然なのか必然なのか…
萩原さんに局内で会うことが増えていた
その度に
…これは多分偶然なんかじゃなく
躰を触られて…
でもそれ以上何をされるわけでもないし
萩原さんは翔くんがお世話になってる人だから
俺のせいで台無しにするわけにはいかなくて
毎回笑顔で乗り切っていた
潤「お待たせ」
翔くんが仕事しているところにカレーを運ぶと
翔「いい匂い…腹減ったー!」
ほっぺいっぱいにカレーを口にいれて
美味しそうに食べてくれる
潤「美味しい?」
なんとなく聞いてみると
ん?と俺の方に顔を向けてから
翔「うまいよ♪どんどん腕あげてるよね」
空いてる手で髪の毛を撫でてくれて…
その温もりがもっと欲しくなって
スプーンを置いてその腕に抱きついた
翔「潤?どーした?」
翔くんもスプーンを置いて
ぎゅっと抱き締めてくれる
潤「んーん…なんでもない…」
大丈夫…あんなことなんでもない…
そうは思うのに…やっぱり嫌なものは嫌で…
翔「…なんかあった?」
大好きな腕に包まれながら考えていると
翔くんの心配そうな声が聞こえて
慌てて翔くんから躰を離した
潤「なんもないよ?大丈夫…」
ふふっと笑いかけてからスプーンを手に取った