第4章 アゲラタム
Jun side
コンビニで翔くんの好きな飲み物と
運転しながらでも食べれるような軽食も買って
助手席に乗り込んで
何気なく後部座席に視線を送ってびっくり
潤「あの…今日って日帰りだよね?」
短めの旅行に行けるんじゃないかってくらいの
荷物が積まさっていて
恐る恐る聞いてみると
翔「そうだよ?
明日潤も昼から仕事でしょ?」
潤「そうだけど…
あの荷物…あんなに何入ってるの?」
後ろを指さして聞けば
翔「え?濡れるコトもあるかもしれないし
いろいろ考えて必要なモノしか入ってないよ」
当然のコトかのように言う翔くんが面白くて
潤「…っはは…絶対あんなにいらないよ(笑)」
思わず零れた笑いに翔くんが
ちょっと拗ねたような顔を見せる
でもそんなやり取りさえも嬉しくて
幸せを噛み締めていた
途中で運転変わろうと思っていたのに
隣に翔くんがいることが安心して
車の微妙な揺れが心地よくて
翔「…ゅん,潤。着いたよ。」
躰を揺らされて瞼を開いた時には
細く開いた窓から
潮の香りが入ってきていた
潤「ごめん,寝ちゃってた…」
翔「俺が寝てていいって言ったんだから気にすんな」
ホラ,行こうって
助手席のドアを開けてくれて
気恥ずかしいけど嬉しくて
熱くなった顔を隠しながら
少し歩きづらい砂の上を並んで歩いた