第4章 アゲラタム
Jun side
明日は久しぶりの1日オフ
どうやら翔くんもオフっぽいんだけど…
ここ最近難しい顔して
何かを考え込んでるコトが多くて
一緒に過ごしたいけど言えないでいる
どこか…遊びに行けたらいいな,と思うけど
やっぱり外はいろいろ問題もあるから
家でゆっくり,でもいいんだけど…
そんなコトを考えながら
結局何の約束もできないまま
家に帰って
やっぱりこんなチャンスなかなかないから
誘ってみよう,と携帯をポケットから出した時
タイミングよく携帯から音楽が流れて
潤「ぅわっ…」
落としかけた携帯をキャッチして
画面を見ると
“翔くん”の名前が表示されていて
連絡してみようと思っていただけに
以心伝心のような気がして嬉しくなる
潤「…もしもし」
翔『もしもし?潤?もう家?』
潤「家だよ,どうしたの?」
あのさー……と聞こえたきり
少し沈黙が流れて
翔『明日さ,海行かね?』
聞こえてきた言葉にびっくりする
明日のお誘い
用件まで一緒だったコトに自然と頬が緩んでいて
潤「行きたい!」
そう言うと
翔『どっかあんまり人いなさそうなとこ探しとくからさ
じゃあ明日の朝迎えに行くな?』
潤「ん,楽しみにしてるね」
小学生の遠足の前の日のように楽しみで
なかなか眠気が来なかったけど
明日思い切り楽しみたいから
無理矢理目を閉じて
気付いたら夢の中だった