第33章 フクジュソウ
Sho side
飛行機の中は仕事の疲れもあって
2人ともぐっすり眠っていた
肩に頭を凭れさせることが出来ないから離れてるけど
ブランケットの下の手は
しっかり握って温もりを感じて安心する
ドンっと車輪が滑走路に着く衝撃で目が覚めた
羽田を飛び立った記憶も無く
気づいたら北海道…新千歳空港
同じタイミングで起きたのか
絡めていた手にギュッと力が込められて
顔を覗くと,見て…と目で合図されて
少しだけ開いていた窓のひさしが上げられた
潤の向こう側にある窓は鋭い光を放って
キラキラと潤の顔を輝かせている
眩しくて,目をこらして外を見ると
一面の銀世界に,キラキラチカチカと
太陽の光が反射していた
今年は雪が少ないって聞いてたけど
さすがは雪国
新千歳空港は雪に覆われていて
テンションが上がってきた
潤「綺麗だねっ」
潤も嬉しそうに囁いて
繋いだ手からも楽しさが伝わってくる
翔「楽しみだな」
マスクの下で笑いあって
手を離して,飛行機を降りた
空港内は無言で素早く通り抜ける
荷物を受け取るのも別々で
空港の外で待ち合わせをした
到着ロビーから外へ出て
寒さに背中を丸めながら
建物に沿って歩いていると
1台のレンタカーが隣に併走して止まった
潤「櫻井翔さんですか?今日は誰とどちらへ?」
サングラスを掛けた
どっからどー見ても,松本潤が
ニッと笑ってこっちを覗いた