第33章 フクジュソウ
Jun side
翔くんが助手席に乗り込んで
車はニセコに向けて出発する
今年は暖冬らしいのに
北海道はマイナスの世界で
東京で寒い寒いと過ごしていたけど
東京はあったかいな…なんて思う
潤「ぅあっ…」
そして…
自由に行動できるし
2人きりになれるからとレンタカーにしたけど
雪道の運転は思った以上に怖い
翔「わっ…大丈夫か?」
潤「大丈夫大丈夫」
心配そうに見てくる翔くんに笑いかけて
少しスピードを落とした
潤「とーちゃくっ♪」
途中コンビニで飲み物を買って休憩をしたりしながら
今日泊まる予定のホテルの駐車場に車を停めた
翔「お疲れ様」
翔くんの手が伸びてきたから
車の周りに人がいないのを確認して
少し翔くんの方に身を乗り出す
潤「んっ…んん…っ」
羽田空港に着いてからずっと
こんな至近距離で触れ合わなかったから
もっともっと触れたくなるのを
なんとか我慢して少し唇を重ねてから離れた
翔「行こっか?」
潤「うん!」
荷物を持って車から降りて
ホテルにチェックインをする
ルームキーで部屋のドアを開けて荷物を置くと
後ろからぎゅっと翔くんに抱き締められる
その腕の中で向きを変えて
少しの間温もりを伝えあってから
しっかり防寒できる格好に着替えて
ホテルの部屋を後にした