第33章 フクジュソウ
Sho side
雲にかかることもなく
念願の綺麗なご来光を
2人で拝むことができて
すがすがしい気持ちで
新しい年の朝を迎えた
日の出の瞬間
潤と唇を重ねて
新しい年を祈願する
この温もりをずっと傍に置いておけますように…
改めて新年のあいさつを交わして
手を合わせる代わりに
潤の手をギュッと絡めて
ご来光を拝んだ
あっという間に太陽は海の上へ登っていき
柔らかかった光が少しずつ強くなる
冷たかった車内空気が
陽の光で少しだけ温められて
俺たちを包んでいた
潤の肩を抱き寄せて
もう一度唇を合わせた
潤「んんっ…んっ…」
舌を絡め取って強く吸うと
潤が腕にすがるように凭れてくる
その躰を抱きしめて
コートの中に手を忍ばせた
潤「んっっ…ぁ…はぁっ…翔くんっ…ダメだよ…飛行機の時間…」
俺をおさえた潤の腕の時計を見ると
もうすぐ7時になろうとしていた
飛行機は9時すぎ…
国内線とはいえそろそろ向かわないと間に合わなくなる
11月頃から…お正月のほんの少しの休みをどう使うか
2人で念入りに計画した
だから…それをちゃんと実行しないと…
名残惜しい思いでしぶしぶ潤から躰を離すと
ギュッと腕をつかんで顔を寄せて
ちゅっと頬にキスを落とされた
後部座席から運転席に座りなおした潤を見ると
少し頬が赤く染まっていて…
可愛い…可愛いけどさ…
…我慢できなくなるんですけど…
また抱きしめたくなる衝動を必死で抑えて
自分も助手席へ座った
これからしばらく…ずっと一緒だしね…
羽田空港へ向かう車の中で
報道陣の多い空港をかいくぐるために
根回しした計画を念入りに話し合った
2人の時間を邪魔されないように