第29章 ラズベリー
Jun side
翔くんの連れてきてくれたレストランは
目の前に広がる夜景もすごく綺麗で
食事もデザートまでおいしくて
アルコールが呑めなくても充分満足だった
翔くんが戻ってきたのと入れ替わりで
トイレに席を立って
翔「お腹いっぱい?そろそろ行こうか?」
潤「うん,あ,ありがとう」
取ってくれたコートを羽織って外に出た
翔「はい,どうぞ?」
車の助手席を開けてくれて乗り込もうとして
…あれ?支払いしてなくない?
潤「ね,さっきの食事代…」
翔「ああ,払ってあるよ?」
なんでもないことのように言われて
助手席のドアが閉められた
その仕草があまりにもスマートで
よくテレビとかで見るようなかっこいい大人で…
潤「…ありがと…」
運転席に乗り込んだ翔くんに
熱くなった顔を俯けてお礼を言うと
翔「どういたしまして♪」
顎を掬いあげられて
潤「んぅっ…んん…んっ…」
舌が絡められた
翔「ごちそうさま♪」
唾液で濡れた唇を舐めるその仕草に
余計に心臓がうるさくなる
潤「バカ…見えたらどーすんのさ…」
照れ隠しにそう言っても
翔「もう外暗いから少しなら大丈夫だよ」
そんなの翔くんにはお見通しで
ふふっと笑われて
やっぱり翔くんには敵わないなあ…と思った