第29章 ラズベリー
Sho side
眼下に宇宙が広がってるみたいに
キラキラ光る夜景を目の前に
潤と隣に並んで
お洒落な創作料理を口に運ぶ
翔「飲みたかったら飲んでもいいよ?」
車だからソフトドリンクで乾杯したけど
やっぱりこーゆー場所では
少しお酒が欲しくなるもの
潤「俺は大丈夫だけど…翔くん飲みたかったら飲んで??」
にこっと可愛く微笑んで言うから
思わずその頬に手を伸ばした
肩の触れ合う距離…
伸ばせば手の届く場所に潤がいるから
家でくつろいでるときと
同じような感覚になる
潤「翔…くん…?」
頬をピンクに染めた潤に
顔を近づけそうになって
潤「翔くんっ」
頬に宛てた手をぎゅっと握られて
動きを止められた
翔「…ぁぁ…ごめん…」
慌てて手を離して
視線を夜景に逃がした
危ない…
つい,いつもの癖で潤に触っちゃった…
翔「はぁ…酒入ったらもっとヤバイだろ,これは…」
夜景をまっすぐ見つめながら
苦笑いをしてると
テーブルの上に置いた手に
潤の温かい手が添えられた
潤「これくらいなら…ばれないかな?」
その仕草はすごくカッコ良くて
大人の男の雰囲気を醸し出しているのに
チラッと覗いた恥じらう横顔は
そこらの女の子より可愛いと思った
翔「ずるいなぁ…潤は」
やっぱり…潤には適わない…な…
その手をきゅっと握り返して
残っていた水をいっきに飲み干した
翔「ちょっとトイレ…」
デザートまでしっかり食べて満足した頃
席を立って会計を済ませた