第28章 レッドゼラニウム
Jun side
寝ながら無意識に寝返りをうって…
触れるはずだった温もりがそこになくて
一気に意識が現実に戻された
潤「しょーくん…?」
瞼を開けながら
手を伸ばしたシーツは少し冷たくて…
先に起きちゃったんだ…
そう思うと
寝起きの頭では
アレコレ考えられなくて
起きた時に1人だった淋しさと
なんで起こしてくれないの?って
疑問が沸き上がってきた
意識をハッキリさせようと起き上がって
ベットヘッドに凭れて座っていると
翔「あ,起きた?おはよう」
ってタオルで濡れた髪を拭きながら
翔くんが寝室に入ってきた
潤「お風呂…入ってたの?」
普通に話しかけようと
口から出た声は思ってたより小さくて
翔「昨日あのまま寝ちゃったからね
潤も入っておいで?」
一応躰拭いたけど仕事前に入った方がいいだろ?
ってクローゼットから着替えを出しながら言われて
いつもなら
後始末をしてもらった恥ずかしさがあるんだけど
今日はそんなことより
ベッドの中で“おはよう”ってできなかった
淋しさが勝っていた
潤「なんで…起こしてくれなかったの?」
ぎゅっとシーツを握って
着替えてる翔くんに問いかけると
翔「起こしたよ?でも潤が起きなかったから…」
まあ慣れたけどね?って言われて
…そうだよ,ちょっとじゃ起きれないんだよ
潤「そんな優しくじゃ起きれないよ」