第28章 レッドゼラニウム
Sho side
潤「そんな優しくじゃ起きれないよ」
ボソッと低い声が響いて
寝室の空気がピリっと張りつめた
寝起きの潤はいつも機嫌が悪いから,仕方ないけど…
そんな潤も可愛いと思うから
翔「潤…?仕事だし,時間無いから早く入ってきちゃいな?」
自分は着替えながら,仕度しながら
優しく促した
潤「わかってるよ」
でも再びゴロンとベッドに横になる潤
さすがに放っておけないから
肩に手を置いて声をかける
翔「潤?時間なくなるよ?…うわっ」
いきなりその手を引っ張られて
隣に転がった
翔「ぉい…起きなきゃダメだって…」
顔を両手で掴んで覗き込むと
相変わらずふて腐れた顔をしていた
潤「…なんで先に起きちゃうの…?」
そのまま少し睨むように俺を見て呟く
翔「ぁぁ…それで怒ってたの…?」
思わず,ふふふっと顔が緩むと
潤はますますふて腐れる
潤「待っててくれればいいじゃん…」
俯いて,俺の胸に顔を埋める
翔「わかった…ごめんごめん…機嫌直して…?」
俯く顔を上に上げて
唇を近づけようとすると
グイッと躰を押された
翔「わっ…ちょ…あっぶな…」
押された拍子にベッドから落ちそうになって
慌てて潤から手を離し
自分の躰を支えた
翔「オイ…ひどくない…?謝ってんのに…」
わざとではないだろうけど
ベッドから落とされそうになって
さすがに少しイラッとした
潤「…っ…翔くん,悪いと思ってないのに…めんどくさいから謝っただけでしょ…」
潤も引っ込みがつかなくなったのか
さらに強い口調でコトバが放たれて
俺のイライラに拍車をかけた