第27章 チョコレートコスモス
Jun side
「そうそう,潤にコレやるよ」
週1で開催される斗真との飲み会で
差し出されたピンク色の小箱
潤「なんだよこれ」
誕生日でもないのに…と思いながら受け取って
箱を開けると小さな小瓶が出てきた
潤「…アロマオイルかなんか?」
中に入ってる液体を傾けたりしながら問いかける
「媚薬らしいよ♡」
潤「媚薬っ!?」
思わず大声が出て
「声でけぇよ」
斗真に口を抑えられる
潤「どうしたんだよコレ」
「彼女と使えって友達に貰ったんだけどさ…
彼女なんていないから潤にあげようと思って」
だから翔くんと熱い夜を楽しんで♡
って言われて流れで小瓶を受け取ってしまった
翔くんと…って言ったって…俺が自ら飲むの?
…そんな怖いことできねーよな
それに訳もわからずめちゃくちゃに迫られたら翔くんだってどう思うか…
…じゃあ翔くんに飲ませる?
…乱れた翔くん,か…
いつも散々乱れるのは俺ばっかだもんな…
たまには見てみたい,かも
乱れた翔くんの妄想をしながら
バレンタイン当日に翔くん家に忍び込んで
媚薬を手作りトリュフの中に混ぜ込んで…
甘い甘いバレンタインを想像してたのに
潤「コート貸して?」
帰ってきた翔くんの荷物を受け取ると
潤「なにそれ…誰かにもらったの?」
翔くんの手にラッピングされたチョコレートが3つ
断れないことがあるのはわかるから
それは仕方ないと思ってる
でもカバンにいれて…とかじゃなく
大事そうに手に持ってたことが引っ掛かって
潤「よかったね?いっぱいもらえて…」
何かを言おうとしてる翔くんの言葉も聞かず
視線を逸らしてリビングに引き返した