第26章 キキョウ
Sho side
結局1時間以上かかってようやく形になった
途中,ソファからくしゃみが聞こえて
嫌がる潤を慌ててベッドに寝かせた
翔「できたよ…」
寝室に入ると,怠そうに寝返りを打ってこっちを見た
潤「翔くん…遅い…」
むーっと赤い頬を膨らませて潤んだ瞳が見上げてくる
変な気分になるからやめて…
翔「ごめん…色々作ってたから…」
潤「色々?」
お盆を覗き込もうとする潤の背中を支えて起こした
翔「食べれそう…?」
潤「ん…食べさせて?」
素直に甘えてくる潤にドキンと心臓が跳ねた
…病人…病人…
ベッドに座って,潤の背中を自分の躰で支えた
翔「はい…これ…おかゆね…あーん…」
おかゆを潤の口元に持っていこうとすると
潤「ちょ…と…待って…?」
潤が俺の腕を止めた
潤「なんで…オレンジ色なの…?」
れんげから…薄いオレンジ色の液体が落ちていた
翔「…卵と梅干の色かな?…」
潤「ぁ…そぉ…」
もう一度れんげですくって
ふーふーと息を吹きかけてから
潤の口元に運ぶ
翔「あーん…」
潤は恐る恐る,れんげに口をつけた
潤「ん……んっ…ぁ…美味しい…」
翔「だろっ!?…よかったぁ~…」
思わず大きな声をあげてしまった
何度も何度もやり直して
火にかけ続けて…
掻き回しまくって…
食べまくって…
俺はもうお腹いっぱい
翔「じゃぁ…こっちは?」
今度はお椀に入れた2つの黄色いモノを差し出した
潤「…こ…れ…は?」
翔「大根おろしと,こっちが生姜おろし…に,はちみつをかけた!」
これは偉大なGoogle先生に教えてもらったから自信作!!
潤に差し出すと困ったように俺を見上げた