第26章 キキョウ
Jun side
翔「大根おろしと,こっちが生姜おろし…に,はちみつをかけた!」
それを聞いてから
もう1度翔くんの手の中のお椀を見る
果肉の中にたまに薄い皮が見えて…
潤「…皮,むいた…?」
聞きながら翔くんを見上げると
翔「えっ?」
そう言ってどんどん視線が落ちていく
ふと視線を動かすと
翔くんの指先に絆創膏が1枚貼ってあって…
ほんとは生姜は生姜湯にするものだと思うし
皮ついたままなんて食べたことないけど…
潤「ありがとう…食べさせて…?」
そう言って口を小さく開けた
生姜湯との違いなんて温度だけだし
洗ってあればきっと皮も食べられるはず
翔「え…でも…」
眉を下げる翔くんに
潤「…ちょぅだい?」
そう言うとなぜか頬を少し赤くしながら
スプーンを口に運んでくれた
翔「…食べれそう?」
食べてみたら意外と皮が気にならなくて
不安げに聞いてくる翔くんに
潤「ん…おいしいよ」
微笑いかけると
翔「よかったー……」
と安心したように笑ってくれた
食べ終わって食器を片付けて戻ってきた翔くんに
潤「翔くん…風呂…入りたいな…」
いつもより甘やかしてくれるのが嬉しくて
ベッドの中で髪を撫でられながら言うと
翔「風呂はやめた方が……躰拭いてやるよ?」
なんでもないことのように言われて
でもベッドの上でえっち以外で
肌を晒すのを想像すると恥ずかしくなって
潤「ゃ…やっぱ大丈夫…」
熱のせいじゃなく赤くなる顔を隠すように
布団に潜り込んだ