第21章 アレキサンドライト
Kazunari side
大野さんが寝室を出て行って
ふぅ…と一つため息をついた
大野さんとの事情の後
こうして一人で余韻に浸るのは
習慣みたいになってる
別に愛を囁き合いたい…
とかは無いから不満はないけど
今日は誕生日だし…
少しくらいココに居てくれてもいいのになぁ
とは思う…
手を伸ばして鞄から箱を取り出した
これも…ベッドの上で渡してもよかったのになー…
ま,いっか…
脱ぎ捨てていた洋服を簡単に纏って
リビングへ向かった
リビングでは大野さんが
ソファで水を飲みながらボーっとしてる
和「ふふっ…風邪ひくよ?」
大野さんもTシャツにジャージ姿の薄着のまま
和「ハイ,これ誕生日プレゼントね」
智「え?俺に?」
今日はあなたの誕生日でしょ?
笑いながら言うと,そっか…と照れくさそうに笑って受け取ってくれた
智「あけるよ?」
返事を聞く前に包装を剥がしていた
智「ふふっ…これ,ニノが欲しいモノじゃん」
出てきたパッケージを見て面白そうに笑う
和「俺も同じの買ったの,
一緒にやろっ…対戦も,協力もできるんだよ?」
言いながら,自分用に買ったゲーム機を大野さんに見せた
智「俺,できないよ?」
和「教えてあげるから,大丈夫っ…ね?」
大野さんがそんなにゲームをやらないことは知ってるけど
何か共通のモノを持ってたかった
一緒にいても,そんなに話すことないし…?
ゲームでも…一緒にできたら楽しいかな?って…
…ダメかなぁ…?