第16章 ニリンソウ
Sho side
斗真にバレタことは
想定外の出来事だったのに
不思議と落ち着いてる自分がいた
大事な親友を幸せにしてね,と
笑う斗真に頷いて
翔「ありがと…これからも宜しくな」
自然と言葉が溢れて
潤の手をギュッと握り直した
斗真「でも今まで通り俺のことも可愛がってね,翔くん♪」
あえて悪戯っぽく笑って言う斗真の言葉には
誰にも言わないし
何も変わらないよ!と
そんな優しさが詰まっていた
良かったな,イイ友達持って…
翔「当たり前だろ?斗真は可愛い弟だからな!」
俺も明るく返して
斗真の頭をガシガシと撫でた
「やった!翔くん今度二人で遊びに行こうよ!」
俺に無邪気な笑顔を向けてくる斗真に
潤「っマエ!!…ふ,ざけんな!!!」
潤がキレた
潤「翔くんも!なんで撫でてんの?」
俺にも被害…
「器が小さいなぁ…束縛すると嫌われるぞ?」
潤「はぁ?!」
ついに喧嘩が始まった…
俺は隣でそれを眺めながら酒を煽る
あー…幸せ…
隠すことばかり考えてたけど
認めてもらえる事はこんなに嬉しいことなんだ…と改めて噛みしめた
潤「…ってか翔くんに愛されてるのは俺だけだから!!」
…はい?
騒いでいた二人が
潤の一言で鎮まり返る
「ぷっ…あははは!!」
斗真の爆笑で喧嘩は終わった
「やー…イイもん見れた…あの潤がねぇ…」
瞳に涙を溜めるほど笑って
さすが翔くんだね,と褒められた
潤は耳まで真っ赤にして小さくなり
何も喋らなくなった
翔「あんま虐めんなよ?」
笑って言うと,いつもの仕返し!
とまた悪戯っぽく笑うけど
その表情はどこまでも優しかった