第16章 ニリンソウ
Jun side
翔くんに触れて
翔くんを近くに感じて
少しモヤモヤが収まってきたのに
俺の隣に座った翔くんは
また楽しそうに斗真の話をする
でもヤキモチ焼きましたなんて言えない
翔くんを独り占めしたいなんて
そんな子供っぽいこと言えなくて
ただその視線から逃れて俯いてしまう
翔くんに弟のように可愛がられてる斗真
俺も昔はその立ち位置だったからこそ
もっと俺だけを見て…ってつまらない独占欲
潤「…っぁ…ん…知ってるくせにっ…」
俺の好きなヤツって誰?と
耳を舐められて
後ろから抱き締められている手が
シャツの裾から入ってきて素肌に触れる
翔「潤の口から聞きたいな?」
俺にだけ教えて?と
首筋に舌が這って
手のひらは上半身を撫でて
“俺にだけ”
その俺の嫉妬心を沈めてくれる言葉で
子供っぽいから…と強がった心が解けていく
潤「んっ…翔くん…ずっと翔くんがすきっ…ぁっ」
アルコールが回って
いつもより敏感になった躰は
胸の尖りを指先で弄られると
翔くんの腕の中でビクビクと跳ねる
潤「でもっ…片想いじゃないっ…あぁっ…」
翔「うん…俺も潤がずっと好きだよ…」
そう言って顔を後ろに向かされて
唇が重ねられた