第16章 ニリンソウ
Sho side
靴も脱がずに玄関で
もっと…と絡めてくる舌を
受け止めながら,軽く吸う
潤「んんっ…ふぁっ…」
何度か繰り返すと
潤の躰から力が抜けていった
翔「部屋…いこ?」
耳元で囁くと
コクンと頷いて凭れてきた
腰を支えて
リビングまで行き
ソファに座らせた
呑み直す?と
コンビニで買ったお酒を
テーブルに並べる
翔「今日はありがと,久しぶりに斗真と呑めて楽しかったよ」
隣に肩を並べて
ビールのプルタブを開けた
潤はビールの缶を持ったまま
うん…と小さく頷いた
翔「やっぱ…斗真も可愛い弟みたいな感じだな」
笑って言う俺に対して
潤は目線を逸らして俯いていく
翔「じゅ~ん~?」
後ろから抱きしめて包み込んでも
躰を強張らせて動かない
翔「俺,行かない方が良かった?」
邪魔してゴメンな?と背中越しに囁くと
潤「…そうじゃなくてっ…」
と一瞬振り向くけど
また前を向いて俯いてしまった
…まぁ…なんとなく
俯いてる理由は
わかってはいるんだけど…
可愛いから
つい意地悪したくなる
俺の口から斗真と名前を出すと
すごく複雑な表情に変わる
自分はすぐ斗真の話になるくせに…
翔「で?潤の好きなヤツって?誰なの?」
耳元で囁くと
肩をピクッと揺らして
顔を上げた
翔「もう…何年も…ずっと好きなの…?」
誰のコト?と
耳に顔を寄せ
舌を挿し込んだ