第11章 デイジー
Jun side
智「大丈夫かー?」
酔った頭をリーダーがふわりと撫でるから
その冷たさが気持ちいい
潤「うん,ごめんね…」
タクシーに揺られて
目の前でじゃれあう翔くんと相葉さんが見えなくなると
少しずつ思考が落ち着いてきて
潤「はぁ…」
無意識に溜息をついてタクシーのシートに沈んだ
和「潤くん,なんかあったの?」
隣から聞こえるニノの声に
潤「なんもないよ」
と,言外にそこには触れるな,と含めば
察しのいいニノは
和「ふーん?そう」
とだけ言って黙って窓の外を見ていた
智「ほんとにココで平気?」
家の近くでタクシーを停めてもらって降りる俺に
家まで送るよ,と何度もリーダーは言うけど
潤「大丈夫,送ってくれてありがとう」
夜の空気にあたりたくてそれを断った
ひんやりとした風に包まれながら歩けば
だんだん落ち着いてきて
家につく頃には完全に酔いが冷めていた
明日はまたメンバーと仕事で
リーダーにもニノにも心配かけるわけにいかないから
もう寝なきゃ,と思うのに
翔くんのことが気になって
謝らなきゃ…でも俺の方が好きなのに…とか
こんなことでなにやってんだ…とか
ぐるぐる考え始めると
寝付けなくなって
朝方まで1人呑みながら
翔くんにメールを打っては消して,を繰り返していた