第11章 デイジー
Sho side
怪我の心配もさせてもらえなくて
何を言っても
今は逆効果だとわかったから
横になることにした
ソファで潤が終わるのを待っていようとしたら
ベッドで寝て,と言われて
また溜息が出た
怪我した指…割れた皿…
潤だって今日は仕事だったはずで
疲れてるはずなのに…
と色々考えながら
うとうと夢うつつを彷徨って
気づくと窓の外が明るくなっていた
起き上がって隣を見るけど
当然潤の姿は無くて
横のシーツは冷たいままだった
リビングに行くと
ソファでブランケットにくるまって
丸くなって寝てる潤がいた
そんなに嫌だったかな…
ってかそんなに怒ることか?
翔「はぁ…」
また溜息が出る
呆れてるとかじゃない…
ただ,なんで俺の想いが伝わんないのかな…って
もどかしいから出る溜息
子ども扱いしてるつもりもなくて
ただ好きだから…大切だから
心配になったりするだけで…
なんで伝わらないんだろ…
眠ってる潤を抱えあげて
寝室のベッドに運んだ
遅かったし…昼までは起きないかな…
人差し指が痛々しく
ぱっくり割れているのに気づき
そっと傷に口づけて
念のため消毒をして絆創膏を巻いた
しばらく潤の寝顔を見ていると
携帯が振動した
起こさないように寝室を出て
画面を確認する
〔今日こそ飲みに行こう~ みんな誘って5人で♪ 雅紀〕
そういえば…ずっと断り続けてた…
今日は潤もあんな調子だし
気分転換に皆で呑むのも悪くないか…
少し考えたけどOK,と返信した
寝室に戻り潤の横に寝転がる
起きたら機嫌治ってるといいな…と
安易に考えながら再び眠りに落ちた