第11章 デイジー
Jun side
どう考えたって
馬鹿な言い争いなのはわかってる
それでもどうしても納得いかなくて
潤「簡単にって…翔くんこそ
何もわかってないのに…
勝手なこと言わないでよ」
翔くんが俺のコトを
好きでいてくれているのはわかってる
でもその大きさを何かで測るコトができるのなら
俺の方が確実に大きいと思う
翔「潤の気持ちはわかってるよ…?
でも潤は俺がどれだけ愛してるか
知らないからそうやって言えるんだよ…」
俺は翔くんをどれ程好きか
伝えるのにこんなに真剣なのに
まるで宥めるように
微笑いながら髪に触れられるのが
真剣さに欠けている気がして
潤「翔くんだって何も知らないじゃん
俺はジュニアの頃から
ずっとずっと片想いしてたのに」
どんどん自分の声が硬くなっていくのがわかる
翔「そういうのは期間の問題じゃないだろ」
そして一切引かない俺に
翔くんの声も低くなってきた気がする
潤「そうだけどっ…
でも昔からずっと翔くんだけを見てきたの
だから翔くんのいいところは
俺の方が知ってるし」
それ以上は駄目だ,と
頭の中で警告音が鳴るのがわかる
それでも引くに引けなくなって
更に硬質な声を落としてしまった
はぁ…と小さくため息をついた翔くんが
翔「ずっと見てきたのは俺も一緒だけどね」
そう言い放って俺から手を離して
翔「風呂入ってくる」
チラリともこっちを見てくれないまま
浴室に消えていった