第11章 デイジー
Jun side
ご飯をよそいながら
冷蔵庫からビールを取り出して
潤「呑む?」
と翔くんに声をかければ
翔「呑むー」
さっきまでテレビの中にいた
真面目なキャスターモードじゃなく
完全リラックスした声が返ってきて
オフが重なった時だけ味わえる
新婚のような幸せを感じながら
潤「お待たせ」
ご飯を並べて
自分のビールも取りに行ってから
翔くんの向かいに行けば
腰掛けようとした腕を引っ張られて
翔「こっち座って?」
そう言って少し自分の椅子を横にずらすから
椅子を翔くんの隣に移動させて腰を降ろした
潤「お疲れ様,翔」
持ち上げたビールの缶を
翔くんの持つソレに軽くぶつけて
食事をする翔くんを視界にいれながら
他愛もない話をして過ごした
翔「ご馳走様,うまかった」
潤「スウェット,用意してあるよ?
シャワー浴びてくる?」
食器を持って立ち上がろうとすると
躰に翔くんの腕が回ってきて
首元に顔を埋めてくるから
その腕の中で向きを変えて
俺も翔くんの背中に手を回した
翔「はぁ……落ち着くわ…」
今日の疲れを吐き出すように言う翔くんの
髪を柔らかく撫でながら
潤「遅くまでお疲れ様
キャスターの翔もカッコいいけど
俺の前でだけの翔もすき…」
ぐっと椅子を近づけて
翔くんの香りを吸い込むように
顔を首筋に埋めた