第1章 ベコニア
Sho side
一睡もできないまま
朝を迎えた
潤を家まで運んで
どうにか寝かせて
逃げるように潤の家を出た
頭ははっきりしてるのに
どうやって帰って来たのか
いまいち覚えてないくらい
頭の中は
潤の照れた顔
酔った顔
潤んだ瞳
呂律のまわらない言葉
そして「愛しいモノ」という言葉で
埋め尽くされていた
陽の光が窓から差し込んできた頃
潤からのメールが届いた
…起きたか…良かった…
朝が弱いから
連絡が来なかったら
電話しようと思っていた
なんで潤をここまで気にかけるのか…
カズも同じ年で可愛いし
雅紀だって俺に懐いてる
もちろん、二人のことだって…
当然,智くんの事だって
スケジュールは把握してるし
変わった様子がないか
いつも見てるつもり
誰よりも早く気づけるように…
潤もそれと同じ…
そう思ってたのに…
潤の行動で一喜一憂してる自分に気づく
たまに見せてくれる笑顔で
抱きしめたくなるのを必死に
こらえてる自分に気づく
…どうしよう…
気づいてはいけないものに
触れてしまった気がする…
[どういたしまして
仕事,頑張って]
簡単な返信だけして
頭をすっきりさせるために
シャワーを浴びた