第8章 マリーゴールド
Jun side
きっと今まで溜め込み続けていた
不安が翔くんの口から吐き出される
それを聞きながら
俺は何をしてたんだろう,と思う
翔くんが抑え込んだモノに気付けなくて
翔くんの優しさに甘えて
“守られてるだけの子供じゃない”と言いながら
実際は付き合ってからも守られていた
そしてメンバーの優しさにも甘えて…
目の前で涙を零しながら
不安を溢れさせる恋人を胸に抱き締める
潤「…っ,気付けなくてごめん…
不安にさせてごめん…」
聞こえる自分の声が涙声で
俺も涙が溢れてるコトに気付いた
でもそれを流したまま
胸の中で嗚咽をあげる翔くんの髪を撫でる
潤「翔くん…
俺が好きなのは…愛してるのは
翔くんだけだよ…
それはこれからも何があっても変わらない」
デートなんてしなくたっていい
こうやって隣にいてくれるだけで充分で
ご飯だって俺がいつも作ったっていい
どこにも行かなくてもいいから
翔くんがいてくれるだけで幸せなんだ…と
どうか伝わって…と願いながら言葉を紡ぐ
そうして
潤「メンバーに話して…
もし認めて貰えれば…
楽屋とかでだけでも
もっと近くにいれるのにね…」
ずっとずっと心にしまい込んでいた想いを
ポロリと漏らしてしまって
あ,と気付いた時には
泣き濡れた翔くんの瞳が俺を捉えていた