第8章 マリーゴールド
Jun side
翔「やっぱ…帰る」
強く握ってた俺の手を離したとたん
苦しそうな瞳をして
翔くんが玄関に踵を返した
潤「まって!」
帰って欲しくなくて
ちゃんと話もしたくて
咄嗟に翔くんの腕を握った
潤「翔くん………っっ」
でも何か言葉を紡ぐ前に
壁に勢いよく躰を押し付けられて
目の前には翔くんの顔があった
潤「ぅっ…んんっ…んっ…」
力を込めて壁に押し付けられて
背中が痛む
潤「んっ…ふ,ぁっ…んんっ…ん…」
でもソレを訴える隙すら与えられず
激しく口内で舌が絡め取られて
呼吸が苦しい
躰に力が入らなくなってきて
ようやく唇が開放されて
潤「…っ,はぁ……」
見上げた翔くんの瞳が
いつもの優しい翔くんじゃなくて
潤「翔くん……?」
どうしたの?と
帰らないで……と
伸ばした左腕の手首を掴まれて
寝室まで引っ張りこまれた
潤「ちょっ…翔くんっ…痛いよ……っ」
そう訴えれば
手首を掴む力は緩まるけど
早歩きで廊下を進むから
それに合わせて足を運ぶしかない
潤「なに…?どうしたの…?」
寝室で手首を離されて
翔くんと向き合う
翔くんの腕が伸びてきて
キツくその腕が背中に回って
翔「潤……」
呟くように言った言葉に
反応しようとしたら
躰がベッドに押し倒されていた
思わず起き上がろうとした手を
シーツに縫い止められて
潤「んぅっ…んっ…んんっ…」
激しい口付けが落とされた