第64章 ニシキギ
Jun side
翔くんも俺もありがたいことに忙しい毎日で
でも明日は久しぶりにオフが揃った
せっかくのゆっくりできる夜
二人きりでいたいから
翔くんより少し早めに帰った俺は夕飯の準備を始めた
食べながら酒も飲めるものがいいかなぁ…
そんなことを考えながら
キッチンに立っていると
翔「ただいまー」
玄関から翔くんの声が聞こえた
潤「おかえりなさいっ」
出迎えると
いつものように玄関で抱き締めてキスをしてくれる
潤「んっ…ん…」
でもなんか…ちょっと違和感…?
潤「翔くん?どうかした?」
翔「ん?何が?」
潤「いや,なんでもないっ…あ,ご飯出来たら一緒に飲もうね♪」
だけど何が違和感ってわからないし
聞いても何もなさそうだから
深く考えずにリビングに向かう翔くんに手を絡めた
翔「今日のメシなに?」
潤「串揚げ♪食べながら飲んでゆっくりしよ?」
翔「お,いいね♪じゃあ着替えてくるな」
翔くんが着替えてる間に支度を進めて
潤「もうすぐ出来るからビール持っていって?」
翔「ん,わかった」
串揚げを乗せた皿を前に
グラスを翔くんと重ね合わせる
「「かんぱいっ」」
翔くんがカバンの中にしまっていた黒い袋には
気づかないまま串揚げを口の中に頬張った