• テキストサイズ

センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第8章 マリーゴールド


Jun side

ちょうど家について

潤「…はぁ……」

溜め込んだ不安を吐き出すように
深く息を吐いて座り込んだ時

握りしめていた携帯が震えた

慌てて画面を確認すれば
そこに写った“翔くん”の文字に

今度は安堵の息をつく

でも開いたメッセージは[家に居て]

どこの場所でもなく,自宅に居ろの指示に
今日はやっぱり逢えないのか…と
不安と淋しさは最高潮に達する

潤「……なんで…?」

思わず零れた声は震えていて
手から携帯が滑り落ちていく

明らかに俺を避けていた翔くん

だからきっと原因は俺にあって
だから俺に泣く権利なんてない

溢れそうな涙を堪えて唇を噛み締めて

床に転がった携帯を手に取って
返信しなきゃ…と画面を見つめる

でも,わかった,とは言いたくなくて
指が動かない

どれくらいそうしていたか

家の中にチャイムの音が鳴り響いた

誰だかわからないけど出る気になれなくて
居留守を決め込んだのに

チャイムは2回…3回…と鳴り続ける

仕方なく立ち上がって

潤「…はい」

応答すると

翔『あ…櫻井,です』

画面に映った翔くんの顔と
耳から聞こえる翔くんの声

潤「えっ…翔,くん…!?」

まさかの訪問者にびっくりして
返答もきかず慌てて解錠して

涙が溜まった目元を拭って
笑顔を作って玄関に向かった
/ 1617ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp