第63章 ウィスキーフロート
Ken side
斗真の膝の上に乗って
桜の木を眺めて
まったり時間が過ぎていく
外に出ることを
必要以上に心配しすぎてたのかもしれない
櫻井や松本を見てると
意外と堂々としてる
気を付けることだけ頭に入れておけば
案外…外でも楽しめるのかもなぁ…
ふと斗真を見上げると
優しく笑いかけてくれる
健「ねぇ…今度は2人でどっかいこうな?」
小さく呟くと
嬉しそうに笑って頷いてくれた
斗「健くんといろんなところに行きたいです」
そう言って
俺を抱きしめる腕に力が籠った
俺たちはまだ始まったばかりだから
焦らず…積み重ねていこう…
斗真の服を掴んで顔を寄せると
それに答えるように
斗真も顔を寄せてくれて
そっと唇が触れあった
斗「ありがとね,楽しかった」
健「また遊びに行くから~」
斗真の家に送ってもらって
櫻井たちに手を振った
斗真と松本がまた仲良さげにじゃれ合うけど…そんなのも可愛いって思えるようになってきた
斗真の手は俺の手をしっかり握ってくれてるから
翔「健くん,斗真をお願いしますね」
2人を横目に櫻井が俺に少し頭を下げた
家族に認められたわけじゃないけど
それが無性に嬉しくて
しっかり頷いて,斗真の手を握り直した
2人の車を見送って斗真を見ると
瞳が少し潤んでるように見えた