第63章 ウィスキーフロート
Toma side
二人きりではないけど
外でデートなんて初めてだから
緊張もするけど…
俺の膝の上に座って
楽しそうに笑う健くんを見ていたら
俺も嬉しくて…楽しくて
潤たちが会話に夢中になってるのを確認してから
抱きついてくる健くんにこっそりキスをした
ふふっと笑いあっていると
車が停まって健くんが窓から顔を出して辺りを見てる
斗「人いないとこあるかな
俺ちょっと見てきますね」
俺がそう言うと健くんは不満そうにしてたけど
頬に一つキスをして車を出た
さっき弁当を作りながら潤が
“あの公園は翔くんが指輪くれた教会があるんだ”
そう教えてくれた
だから…いつかのために場所を確認しておきたくて…
ついでにしっかり大きな桜が咲いていて
人気のない場所も見つけて車に戻った
そこで四人でシートを広げて弁当を開ける
翔「うわ…うまそー」
健「斗真の作る料理はいつも旨いんだっ」
翔くんも健くんも弁当を見て
瞳を輝かせていて
斗「…まだ勉強中ですけどね…」
そんな大袈裟に褒められると
ちょっと恥ずかしいけど
でもやっぱり作ったもので喜んでくれるのは嬉しくて
思わず潤と目が合うと
潤も嬉しそうに笑っていた