第63章 ウィスキーフロート
Ken side
ほどよくお酒が回ってくると
松本も斗真もさらに仲良さそうに
楽しそうに盛り上がっていた…
健「櫻井~~…櫻井はいいの?」
翔「何がですか?」
健「あれだよ,あれっ」
俺はそれが面白くない…
翔「まぁ…2人は昔っからあんな感じじゃないですか?それこそ,兄さんたちの後ろで踊ってた時から…」
健「だからだよっ…斗真…俺と居る時より楽しそうだし…」
なんか…ずるい…
俺入れねーじゃん…
翔「心配なら,斗真に言ったらいいじゃないですか」
健「そんな器の小さい事できるわけないだろっ…俺,年上よ?」
坂本くんにだって…おまえが年上なんだから
しっかりしろって言われてるし…
俺自身束縛が嫌いだったから…
斗真を束縛するようなことはしたくないし…
翔「健くん…可愛いですね」
健「うっせーわ…くそぉ…もー…俺,櫻井とイチャイチャするー!!」
でもなんかむしゃくしゃする…
翔「わ,ちょっ…健くんっ…」
俺はぶつけられない気持ちを櫻井にぶつけて
ソファに押し倒した
ちょっとは俺の事も見ろよっ,バーカっ!!
そんな俺に先に食いついたのはやっぱり松本で…
しばらく何も言わずに見てる斗真に
俺はイライラしてきた
潤「翔くんは健くんがいいの!?」
健「当たり前だろっ…俺,お前より可愛いもんっ」
松本に言ってるふりをして
全部斗真に聞かせてる
少しくらい…嫉妬とかしてくれてもいいだろっ!?
またキスでもしてやろうかと
櫻井にぐっと顔を寄せると
斗「健くん…」
斗真の落ち着いた低い声が耳に響いた
振り向くと怒るんじゃなくて
悲しそうな顔で俺を見てる
健「あ…はい…」
やりすぎたかな…
斗「…こっち…どうぞ…」
促されるまま斗真の隣に座った
少し…怒ってくれた?
嫉妬した…??
期待する気持ちと
やりすぎたかな…って反省が入り混じる
…俺…反省とかできるんだ…
自分でもびっくりした
健「俺には斗真だけだから…」
斗「…わかってますよ…」
なんだ…わかってんのか…
俺のコト信じてくれてるのか…
健「好きだよ斗真」
真っすぐ思ったままのことを言うと
斗真も優しい瞳で俺の事を見てくれる
それだけで今まで感じてたやきもちなんて
どこかに飛んでいったみたいだった