第8章 マリーゴールド
Jun side
「櫻井さん,今日はそのまま送りでいいですか?」
そう言ったマネージャーに
今行く,と言って荷物を纏め始める翔くん
その言葉に不安が膨らんでいく
潤「ご飯…は?」
マネージャーが出て行って
思わず縋るように翔くんの腕を掴むと
こっちを向いてくれて
翔「今日は…やめない?」
でも翔くんの口から出た言葉は
不安に潰されそうな俺に追い打ちをかける
潤「…な,んで?」
翔「…なんでも」
答えにならない答えに
どうしたらいいのかわからなくなる
でもココで引いちゃいけない,と
本能が訴えてきて
潤「行きたいよ…楽しみにしてたんだよ?」
ぎゅっと翔くんの腕を掴み直すと
翔「俺マネージャー待たせてるし…」
その手を外されそうになるから
潤「じゃあっ…場所連絡して?
俺自分で向かうから!
現地集合,にしよう?」
一息に伝えきってから
溢れそうな不安を押し殺して
近付くのを躊躇う足を踏み出して
ちゅ…と軽く翔くんの唇に自分のを重ねて
潤「じゃあまた後でね!
連絡待ってるから!」
意識して明るく言い切って
翔くんを楽屋から押し出した
きっと強引にでも約束しちゃえば
翔くんは連絡くれるから…
それを信じて俺も帰路についた