第8章 マリーゴールド
Sho side
撮影の間も
楽屋に戻ってからも
潤の傍には常に智くんがいる
今日は2人の笑顔を見てるだけで
モヤモヤが募る
間に入っていくことはできないし
たとえ会話に入っても何を口走ってしまうかわからなくて
ただ横目で見てるだけだった
楽屋に戻ってから
潤の返信に気づいた
[ご飯行きたい,楽しみにしてる]
その返信だけでホッとする
と同時に
俺がどれだけ潤の事を好きか
わかってるのか…
と不安にもなる
もしかして
俺の想いは重すぎるんじゃないか?
考え始めると動けない
でも
潤が楽しみにしてる…と
そう言うから
なるべくプライバシーの守られる
店をチョイスしてメールで予約した
潤「翔くん…?」
潤の声に反応して顔をあげると
もうメンバーの姿はなくて
楽屋に潤と二人きり
潤「今朝,メール返すの遅くなってごめんね?」
近づいてくる潤の腕を引っ張って
力任せに目の前のソファに押し倒して
唇を重ねた
潤「んんっ…んっ…しょ…んまっ…てっ…」
潤が肩を押し返してくるのが
余計に不安を煽る
俺を受け入れてよ…
潤「んーっ…楽屋っ…ダメ…」
思い切り突き飛ばされて
躰が離れた
潤「はぁ…翔く…」
潤が何かを言いかけた時
コンコンとノック音がして
扉が開いた
「櫻井さん,今日はそのまま送りでいいですか?」
店の予約だけして
マネージャーに断るの忘れていた
翔「うん…今行きます」
そう言って未だ散らかっていた荷物をまとめる
「車回しときます」と言って
マネージャーが出て行くと
潤が俺の腕をつかんだ
潤「ご飯…は?」