第8章 マリーゴールド
Jun side
潤「はぁ……」
結局翔くんとは話ができないまま
視線すらも合うことがないまま
今,スタジオで撮影をしてる
あのあと
返せなかった返信を
[ご飯行きたい,楽しみにしてる]とだけ
返しておいたけど
翔くんは気付いてくれただろうか
目の前には仲良く撮影してる
相葉さんとニノ
少し離れたトコに翔くんがいて
話しかける絶好の機会,だけど話しかけられない
だって俺と翔くんは
そんなに仲良くする間じゃない,はずだから
それに避けられてる雰囲気がして
どうしていいのかわからない
そんな俺の隣にいてくれるのはリーダー
智「悩み事?」
優しく聞いてくれる声に
そういえば翔くんに片想いしてたときも
こうやって近くにいてくれたな…なんて思い出す
潤「んーん,大丈夫」
でも曖昧に笑うしかできない
だって翔くんとのコトは誰も知らないから
撮影が終わって帰る支度をしつつ
翔くんをチラチラと伺ってみるけど
こっちを見てくれるコトがないまま
座って携帯を弄ってる
だからこのまま皆が先に帰れば
話す機会ができる,と思って
俺もゆっくり荷物を纏める
予想通り相葉さんが帰っていって
ニノとリーダーも帰ろうとしてる
智「お疲れー」
ってみんなに言った後に
智「よくわかんないけど,元気出して」
って俺のトコまで来て言ってくれて
潤「ありがと,お疲れ様リーダー」
楽屋には俺と翔くんだけが残った