第62章 カスミソウ
Sho side
「櫻ちゃん,ありがとー」
「しゃくらちゃんバイバイ」
お土産を持たせてくれた俺の友達…龍と虎の父親に促されて
2人が可愛く手を振ってくれる
こうやってると可愛いくて天使みたいだよなぁ~…
「あっ…櫻ちゃんっ!!!」
玄関を閉めかけた俺に
龍が慌てて駆け寄ってきた
翔「ん?どした??」
かがんだ俺の耳に顔を寄せる
「じゅんのすけとのことは,企業秘密にしといてやるよっ」
龍は二カッと笑みを浮かべ
バイバイと手を振って玄関が閉まった
…企業秘密…??
って…なんか使い方違うけど…
…ま…大丈夫…だよな…
いくら子供とはいえ
目の前でイチャイチャしすぎたか…
なんて反省しながら車に乗り込んだ
“お疲れ様♡帰ってきたら飲もう♡”
潤からは可愛いメールが送られてきていて
思わず顔が緩む
“今から帰る♪お土産も貰ったから一緒に食べよう”
それだけ返して家路を急いだ
今日一日…楽しかったし
潤も楽しそうに世話をしてくれてたから
嬉しかった
でも…自分が引き受けたこととはいえ
せっかくの2人そろってのオフ…
2人きりで過ごしたかったっていう本音も隠し切れない…
早く帰って
潤を抱きしめたいっ
それだけを考えながら車を降りて
駆け上がるように部屋へ急いだ