第62章 カスミソウ
Sho side
翔「ほら,虎には俺のお手製だっ」
潤が作ったやつはオレがしっかりキープして
虎にサーモンを巻いた手巻きを渡した
「…ぅえ~」
「ぅわっ,櫻ちゃん…俺より下手じゃんっ」
龍は俺の手巻きの横に
自分の作ったおにぎりみたいな手巻きを並べた
翔「はぁー?お前のそれ唐揚げおにぎりじゃんっ」
「櫻ちゃんのなんて飛び出し過ぎてて持てないしっ」
翔「俺のは特盛だっ」
龍と言い争っているうちに
虎はちゃっかり潤の綺麗な手巻きを食べていた
潤「はい,翔くんにはこれね?特盛は俺にちょーだい?」
潤が笑いながら交換してくれて
俺は綺麗な手巻きを美味しく頂いた
潤「ふはっ…溢れちゃうよっ」
潤がかじるたびに溢れるサーモンとご飯…
「じゅんのしゅけ,ぼくのもたべる?」
潤が俺のを頑張って食べていると
虎が自分の作った手巻きを差し出した
潤「おっ…上手にできたじゃんっ…せっかく頑張って作ったんだから,陽虎食べなよ」
「じゅんのすけはそんなのでいいのか?」
龍は唐揚げを頬張りながら
俺がせっせと作った特盛の手巻きを指さした
翔「そんなのってなんだよっ」
たしかに形は不格好だけどさ…
だってご飯の量の加減がわかんねーんだもん
潤「俺はこれがいいんだよ…これが1番美味しいの」
「えー?じゅんのすけが作ったやつのが美味しそうだ」
さりげなく惚気る潤が可愛くて
俺はちょっと嬉しくなった
翔「料理は見た目じゃねぇーの,愛だ愛!!」
「あい?」
虎がキョトンと潤を見る
潤「ちょっ…翔くん子供に何言ってんの!?」
それからしばらく
龍と虎にヒューヒュー攻撃をくらって
潤は真っ赤になっていた