第62章 カスミソウ
Jun side
慌ててリビングに翔くんと戻ると
ソファの上でテレビのリモコンを取り合っている二人…
というか龍斗が高くあげたリモコンを
陽虎が取ろうと頑張っている
テレビ画面はさっきまで見てたアニメとは違うものが流れている
「りゅーちゃんが見せてくれないーーっっ!」
「見てるの終わっただろっ!次こっち!」
大体の状況を掴んでもう一度翔くんと苦笑しあうと
翔「こーらっ喧嘩すんなっ」
翔くんが龍斗の手からリモコンを取った
「あっ櫻ちゃんっ」
それに気づいて二人の視線が俺たちにうつる
ソファの前に回って
とりあえず話を聞こうとすると
「じゅんのしゅけっ!おはなしおわったのっ?」
陽虎に真っ直ぐに見られて
潤「えっ?あ…」
さっきのキスを思い出して顔が熱くなる
隠そうとする前に
目ざとく見つけた龍斗と陽虎が
「あーっ!じゅんのすけ顔真っ赤!櫻ちゃん何したんだよっ!」
「ほんとだ!りんごみたいっ」
それを指摘してきた
興味がテレビからこっちに移って
喧嘩が終わったのはいいんだけど…
これはこれで恥ずかしいっ…
翔「なんもしてねーよっ」
そう言いながら翔くんがさりげなくテレビを消す
「わかった!ちゅーしたんだっ」
「ちゅー??」
図星をつかれて
潤「えっ…えっと…」
尚も熱くなる顔をどうすることもできずに
楽しそうにくっついてくる二人を受け止めた